「解体工事ってどんな流れで進むの?」
「やるべきこととタイミングがわからない」
解体工事の流れについて、上記のようにお悩みではありませんか?
解体工事を依頼する場合、契約や着工前から工事完了後にもやるべきことがあります。そのため、どのタイミングで何をすればよいのか、事前に全体の流れを把握することが大切です。
今回は、段階別に解体工事の流れを紹介するとともに、工事を円滑に進めるためのコツを詳しく解説します。
解体工事の流れ:準備~契約
解体工事の流れとして、準備から契約までの段階でやるべきことは以下の3つです。
- 解体業者を選定する
- 見積もりを依頼する
- 見積もり内容を確認後、契約する
それぞれの内容について詳しくみていきましょう。
解体業者を選定する
まずは、解体工事を依頼する業者の選定からはじめましょう。業者ごとに対応可能なエリアや建物の構造、料金などが異なります。そのため、最初から1つの業者に絞るのではなく、複数の業者を比較することが大切です。
また、問い合わせ方法にも電話・メール・LINE・フォームなどの種類があります。緊急度が高い場合は電話、解体工事自体が検討段階で気軽に相談したい場合はLINEなど、状況に応じて使い分けましょう。
見積もりを依頼する
候補に挙げた解体業者を具体的に比較するため、現地調査付きの見積もりを依頼しましょう。建物の構造や立地などを確認したうえで、より正確な見積もりを出してもらえます。
現地調査を行わずに提示された見積もりは、契約後や工事完了後に追加費用が発生する可能性があり、結果的に他社より高くついてしまうことがあります。そのため、立ち会いが手間に感じられても、現地調査によって詳細な内訳を出してくれる業者が安心です。
なお、解体工事の費用相場を坪単価で表すと以下のとおりです。
| 構造 | 費用相場(坪単価) |
|---|---|
| 木造 | 3~4万円 |
| 鉄骨造 | 4~5万円 |
| 鉄筋コンクリート(RC)造 | 5~8万円程度 |
ただし、建物の大きさや立地、周辺環境などの条件によっても大きく変動します。複数の業者から提示された見積もりを比較し、納得できる業者を選ぶことが大切です。
見積もり内容を確認後、契約する
提示された見積もり内容を確認後、契約に移りましょう。見積もりに記載された総額だけでなく、内訳や備考欄も確認することが大切です。
契約前に確認しておきたい具体的な内容としては以下が挙げられます。
- 工事工程(どのように工事を進めるのか)
- 仮設工事費(解体工事の準備にかかる費用)
- 解体工事費(建物本体の解体工事にかかる費用)
- 付帯工事費(建物本体以外の解体工事にかかる費用)
- 廃棄物処分・運搬費(廃棄物の処分や運搬にかかる費用)
- 各種申請費用(申請にかかる費用や代行費用)
一度契約すると、契約内容の変更は難しくなります。上記のように詳しい内訳や追加費用が発生する場合の規定なども確認したうえで契約しましょう。
解体工事の流れ:着工前
解体工事の流れとして、着工前までにやるべきことは以下の5つです。
- 現地調査に立ち会う
- 解体工事届出を提出する
- 電気やガスなどのライフラインを解約する
- 残置物を撤去・処分する
- 近隣住民への挨拶回りを行う
それぞれの内容について詳しくみていきましょう。
現地調査に立ち会う
見積もりを出す際に現地調査が行われた場合でも、工事前にはあらためて現地調査が実施されます。可能であれば現地調査に立ち会いましょう。残しておきたい木や撤去して欲しい設備など、工事に際して詳細な希望を共有できるためです。
解体工事届出を提出する
建設リサイクル法に基づき、床面積が合計80㎡を超える建物を解体する場合、着工の7日前までに工事の届出を提出しなければなりません。
解体工事届出の提出は、原則として依頼者に課せられる義務です。ただし、事前に委任状を作成しておけば、解体業者に代理で提出してもらえます。
また、解体工事に際する「道路占用許可」や「道路使用許可」などの各種申請は、必要に応じて業者が提出してくれます。どの申請が必要となるのか、適切な形で申請されているのかを確認しておくと安心です。
参照:国土交通省「建設リサイクル法の対象となる建設工事では届出が必要です!」
参照:国土交通省「歩行者利便増進道路制度にかかる許可申請」
電気やガスなどのライフラインを解約する
ライフラインの解約も着工前に済ませておきましょう。解体工事では、電柱からの引き込み部分を取り外したり、配管を切り離したりする作業がともなうためです。
具体的に解約が必要なものとしては、以下が挙げられます。
- 電気
- ガス
- インターネット
- 電話
- セキュリティサービス
なお、水道は解体工事中に必要となるため、工事完了後の解約が一般的です。具体的な解約のタイミングは業者と相談しましょう。
残置物を撤去・処分する
建物に残っている家具・家電といった残置物は、着工前に撤去・処分しておきましょう。
解体業者に残置物を撤去・処分するよう依頼もできますが、工事期間が延びたり追加費用が発生したりする可能性があります。
解体工事にかかる費用を抑え、工事を円滑に進めるために、残置物の撤去・処分は事前に済ませておくことがおすすめです。
近隣住民への挨拶回りを行う
解体工事が始まるまでに、近隣住民への挨拶回りを実施しましょう。解体工事では騒音や振動、粉じんなどが原因で、近隣住民とのトラブルに発展する恐れがあるためです。
事前に挨拶回りを行うことで、解体工事に対する理解を得やすく、苦情やトラブルにつながりにくくなります。
また、一般的に近隣住民への挨拶回りは解体業者が行ってくれますが、挨拶回りに自ら同行することで、よりよい印象を与えられます。近隣住民から工事の内容について質問されることがあるため、業者と一緒に挨拶回りを行うと安心です。
解体工事の流れ:着工~完了
着工から完了までの作業はすべて業者が行うため、施主がやるべきことはほとんどありません。
着工から完了までは、以下のような流れ・期間で解体工事が進みます。
- 外構を解体する(2日程度)
- 足場・養生を設置する(0.5日程度)
- 屋根・内装を解体する(2日程度)
- 柱や梁などの建物本体を解体する(3日程度)
- 建物基礎を解体する(2日程度)
- 整地する(1日程度)
解体工事にかかる期間は建物の構造や大きさによって変動するため、上記の期間はあくまでも目安です。
工事が完了したら、引き渡しを受けます。引き渡し前には、契約内容と実際に行われた作業に相違がないかを確認しましょう。
解体工事の流れ:工事完了後
解体工事の流れとして、工事完了後にやるべきことは以下の2つです。
- 建物滅失登記を申請する
- 近隣住民へ工事完了の挨拶回りを行う
それぞれの内容について詳しくみていきましょう。
建物滅失登記を申請する
解体工事が完了したら、登記簿上の建物情報を抹消するため、「建物滅失登記」を申請しましょう。
建物滅失登記は、建物の解体が完了した日から1か月以内の申請が義務付けられています。原則施主本人が申請しなければならないため、書類作成や申請方法について事前に調べておくと安心です。
なお、自身で申請することに不安が残る方は、土地家屋調査士に代理申請を依頼できます。ただし、土地家屋調査士への依頼には5万円程度の費用が必要です。自身で申請する手間や依頼費などを考慮し、適切な方法を選びましょう。
参照:e-Gov 法令検索「不動産登記法」
近隣住民へ工事完了の挨拶回りを行う
解体工事に協力してくれたお礼の意味を込めて、工事完了後にも近隣住民への挨拶回りを行いましょう。
挨拶回りの際に解体工事の騒音や振動などを原因とした問題が発覚する場合があります。問題が発覚した際には、解体業者に対応を依頼しましょう。
ただし、工事完了から期間が空いてしまうと、解体業者に対応してもらえないことがあります。そのため、工事完了後の挨拶回りはできるだけ早めに行うことが大切です。
解体工事を円滑に進めるためのコツ4つ
解体工事を円滑に進めるためのコツには以下の4つがあります。
- 繁忙期を避ける
- 余裕を持ったスケジュールを組む
- 業者や近隣住民と積極的にコミュニケーションをとる
- 信頼できる業者を選ぶ
それぞれのコツについて詳しくみていきましょう。
繁忙期を避ける
解体工事を円滑に進めるためには、2~3月の繁忙期を避けましょう。繁忙期は作業員の確保が難しく、工期が長くなったり近隣住民への挨拶回りが省略されたりする可能性があるためです。
また、繁忙期は費用が高くなる傾向にあるため、特に急ぎでない場合は繁忙期を避けた依頼がおすすめです。
余裕を持ったスケジュールを組む
解体工事はやむを得ない理由でスケジュールが変わることがあるため、あらかじめ余裕を持たせることが大切です。たとえば、悪天候で作業ができなかったり、工事内容の変更で工期が延びたりすることが挙げられます。
特に建て替え工事を予定している場合、スケジュールが被ってしまうと、工期を調整する手間が増えてしまいます。解体業者と相談しながら、工事のスケジュールは1週間以上を目安に余裕を持たせておくと安心です。
業者や近隣住民と積極的にコミュニケーションをとる
工事を円滑に進めるためには、業者や近隣住民との積極的なコミュニケーションが欠かせません。
業者と積極的にコミュニケーションをとることで、工事内容やスケジュールなどの認識にずれがないかを確認可能です。普段からコミュニケーションをとっておけば、急な工事内容の変更の依頼もしやすくなります。
また、近隣住民とコミュニケーションをとるなかで信頼関係を構築できれば、工事に対する理解や協力を得やすく、トラブルにつながりにくくなります。
信頼できる業者を選ぶ
解体業者のなかには悪質な契約・工事を行う業者が存在するため、信頼できる業者を見極めることが大切です。悪質な業者の例としては、工事に際して許可を申請していない業者、見積もりに記載していない高額な費用を請求する業者などが挙げられます。
信頼できる業者の特徴は以下のとおりです。
- 見積もりや契約の内容についてわかりやすく説明してくれる
- 見積書や契約書などの各種書類を発行してくれる
- 問い合わせのやり取りが円滑で印象がよい
- 許可の取得や保険への加入が済んでいる
上記の特徴を参考に、依頼しようとしている業者が信頼できるかを見極めましょう。
解体工事の流れとコツを押さえて円滑に進めよう
解体工事は、契約前から工事完了後まで、それぞれの段階でやるべきことがあります。全体の流れを把握し、解体工事を円滑に進めましょう。
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